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#17 🦊ホンドギツネの今〜分布と生息状況を丹波篠山から見つめる

ホンドギツネは、本州・四国・九州に広く分布する日本固有のキツネです。イヌ科の仲間でありながら、どこかネコのような気まぐれさと、人の暮らしのそばをすり抜けるように生きる姿が、多くの自然愛好家の心を惹きつけています。

しかし、ここ数十年で彼らの生息環境は大きく変化しています。この記事では、ホンドギツネの全国的な生息状況と、丹波篠山市における最新の分布傾向を、最新調査データをもとにご紹介します。

目次

🗾 全国における分布状況

環境省が実施した全国哺乳類分布調査によると、ホンドギツネは2021年度時点で8,563メッシュ(5km四方)で確認されました。2000年代初頭の調査では11,668メッシュだったため、約20年の間に27%近く生息メッシュが減少したことになります。

※この「メッシュ」とは、地図を5km四方の格子に分けて、その1マスごとに生息確認の有無を記録する調査手法です。メッシュ数が多いほど、キツネが全国に広く分布していることを示し、減少傾向にある場合は、分布域そのものが狭まっていると捉えられます。

🟥 都道府県別レッドリスト区分(絶滅のおそれがある地域)

各自治体が作成する「レッドデータブック」でも、ホンドギツネの保全状況は注目され、調査が行われています。とくに都市近郊の府県では深刻な状況が続いています。

都道府県別の指定状況

千葉県   … 絶滅危惧Ⅰ類(CR/EN)絶滅の危険が極めて高い/非常に高い

東京都   … 絶滅危惧Ⅰ類(CR/EN)

大阪府   … 絶滅危惧Ⅰ類(CR/EN)

鹿児島県  … 絶滅危惧Ⅱ類(VU)絶滅の危険が高い

神奈川県  … 準絶滅危惧(NT)今すぐではないが、将来的に絶滅が心配される状態

福岡県   … 準絶滅危惧(NT)

長崎県   … 準絶滅危惧(NT)

京都府   … 要注目種 今すぐではないけれど、将来的に減る可能性あり

これらの分類は、それぞれの地域においてキツネがどれほど希少か、また保全の優先度がどれほど高いかを示しています。

🏞 丹波篠山市における分布と環境

兵庫県丹波篠山市は、山と川に囲まれた美しい自然環境に恵まれています。豊かな生態系の中で、ホンドギツネもまた静かに暮らしています。

兵庫県森林動物研究センターによると、丹波篠山周辺のホンドギツネの生息メッシュ数はおよそ1,500以上に上るとされています。これはかなり高い数値で、県内でも比較的良好な生息環境が保たれている地域のひとつです。

主な分布エリア

・丹波高地(兵庫県東部)の中腹部

・円山川(豊岡市、養父市、朝来市)・矢田川(但馬地域)などの流域

・市街地と山地の境界部(里山地帯)

キツネたちはこれらのエリアを中心に、夜明け前や日没後に姿を現すことが多く、林道や獣道、水田のあぜ道などでその足跡や糞、捕食痕が見つかることもあります。

面積とメッシュ数の関係

丹波篠山市の面積は約377.6km²です。これをメッシュ数で表すと下記のようになります

*5kmメッシュ(25km²/区画):約15メッシュ

*1kmメッシュ(1km²/区画):約378メッシュ

*0.5kmメッシュ(0.25km²/区画):約1,510メッシュ

生息メッシュ数1,500以上というのは、0.5km〜1km単位の細かい調査を通じて、かなり広い範囲にホンドギツネが棲んでいることを意味します。

🌿 保全に向けたヒント

ホンドギツネを守っていくためには、以下のような取り組みが有効と考えます

👓市民参加型の観察活動(例:「いきものログ」などの記録共有)※1

🪧道路横断時の死亡事故を減らすための標識や緩衝緑地の設置

🌲山林の無秩序な伐採を避け、林縁部の保全を図る

📣地域の小学生や住民への啓発活動

都市近郊や観光地との共生を図る上で、「見守る姿勢」や「記録する文化」が、将来的な保全の大きな力になります。

※1 害獣指定の動物を投稿した場合、それがきっかけで駆除作業が行われることがあります。また、SNSに投稿された情報から駆除作業が行われることもあります。投稿には細心の注意が必要です。

おわりに

ホンドギツネは、人の暮らしのすぐそばで、静かにたくましく、そしてときに愛らしく生きています。

先日(6月中旬)、キツネの撮影中に農作業中の男性に遭遇しました。

キツネを探していることを伝えると、「そんなもん、見つけたらすぐ捕まえてくれ!(駆除してくれ)」と言われてビックリしました。

キツネが保護対象の動物であるということを知らない人は多いと思います。

ですが、これはそれ以前の認識の違いで、「野生動物」= 駆除 という認識を持っている人がいるということ。もしかすると、農業を営み、野生動物との距離が近い田舎ならではなのかもしれません。

丹波篠山のような自然と人が近い地域では、キツネたちの暮らしを身近に感じることができます。それは、わたしたち自身の暮らしや自然との距離感を見つめ直す、ひとつのきっかけにもなります。

耳をすませば、草の葉が揺れる音の向こうに、キツネの気配がひそんでいるかもしれません🦊🌾

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